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2009-07-16 Thu
いよいよ、各地から梅雨明けの便りが届く時期となって参りました。「梅雨明け十日」と言う言葉がありますが、これは梅雨が明けてしばらくの間は、天気が安定する事が多い言葉、また立秋(今年は8月7日)の前は晴天が続く事が多いとも言われています。つまり、七月後半はお天気の日が続く事が多いのです。
この晴れが続く時期、着物を長持ちさせる為に、是非オススメしたい大切な作業があります。それが「虫干し」です。虫干しとは、晴れた日の風通しの良い部屋で、着物をタンスから出して陰干し(太陽の光が当たらない所で部屋干しする)する事を言います。経験上、一日で一番湿気が少ない、朝10時頃から昼の2時頃まで干しておく事を推奨いたします。
きもの、特に喪服や江戸褄、黒っぽい着物は、その染料の性質上、カビが大変発生しやすいものです。湿気の多い季節「梅雨」はその発生が一番心配される時期であります。原田染物店では、お客様に、冬の乾燥した日と、梅雨明けの晴れが続く日、年二回の虫干しを推奨しています。保管場所が湿気のある場所でなければ、この二回の虫干しで着物を長持ちさせる為に必須の絶大なカビ防止効果があるのです。
また、着物のシミで、取る事が困難な、経年による絹の黄変によるシミも虫干しによってその出現を出来るだけ遅くすることは十分可能です。(これは絹の寿命とも言うべきシミで、どうしても永遠に防ぎきる事は難しいのですが)。
絹の着物は普段でも重さの約10%の水分を含んでいます。着物の水分は、昼に温度が上がった時や、タンスから出して風が通したりすると抜けますが、夜やタンスにしまった時に、着物が冷えると水分は戻ります。
保管したままにしておきますと、折られ重ねられた中の部分などは、冷えたままになる事が多いので、水分が抜けずに余計にたまっていくようなのです。
お客様からお預かりしたお着物をお手入れしていて、こうした冷えたままになりがちな場所(湿りやすい場所)は、他の場所より黄変していることが多く見受けられます。普通のシミも放っておくとやがて黄変していきますが、こうした水分が溜まりやすい場所は早く黄変してしまうようです。
定期的に虫干しを行い、またその他にも御手隙の晴れた日などに、着物をタンスから出し、眺め愛でて楽しんでみる事もおすすめ致します。たまにそうして風を通すだけでも、着物の長持ちに効果があります。
虫干しには、カビや黄変シミを防止するほかに、タンスしまっていた着物を出す事で、きものをチェックするという目的もあります。カビという観点においては、初期のカビが発見できるという利点があります。カビがうっすらと表面に白く発生した初期の段階でしたら、比較的簡単にカビはとる事が出来るのですが、ひどいカビなってしまうと、専門家が洗いましても、完全にはとりきれない場合が多くあります。又、取れたとしてもほとんどの場合、再びカビが発生いたします。人間の病気と同じように、きものの病気とも言えるカビも早期発見がとても重要であり、それには虫干しは大変有効なのです。
繰り返しになりますが、カビはきものの大敵。しかし湿気の多い国日本、カビの対処法も工夫が凝らされてきました。その中で特に効果があるとされるのがこの虫干しです。冬と梅雨明けの年二回の虫干しによって、カビの初期発見、カビの予防をし、着物を長待ちさせる事につなげる事が出来ます。
週間天気をご覧になり、3日晴れが続く日の真ん中の日などに、行われてみてはいかがでしょうか?。虫干しの機会に、持っている着物を眺めてみるというのもまた、楽しいものです。
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by 原田染物店
あれこれ : 16:05 : comments (x) : trackback (0)


